CPUとDTMの気になる関係

コア数やハイパースレッディングなど、CPUの特筆すべき機能と、DAWやVSTなどがどのように関係するかという点からご紹介します。

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はじめに

コア数やハイパースレッディングなど、CPUの特筆すべき機能と、DAWやVSTなどがどのように関係するかという点からご紹介します。だいぶ簡略化していますので、厳密には異なる部分や説明の不十分な箇所もあります。おおよそ概略として捉えていただき、更なる詳細はご自身で調べていただくのが良いと思います。参考になりましたら、幸いです。

Intel系?AMD系?とDAW・ソフトシンセの関係

現在流通するデスクトップパソコン向けのCPUは、Intel系列とAMD系列があります。通常、DAW・ソフトシンセの動作環境はIntel系列のCPU(Core i7、i5、i3、Pentium、Celeron等)を基準にすることが多いので、そちらを選択するのが無難です。

Core i7、i5、i3・・・どれがすごいの?

2014年現在流通しているCPU(インテル系)のモデルは何種類かあり、Core i7やPentiumなどの名前がついています。それぞれの関係について下表にまとめました。下に表示されているCPUほど、グレードは劣りますが安価に設定されたモデルです。

表:各CPUモデルの概要(Haswell / Haswell Refresh世代のデスクトップ向け)

CPU名 クロック周波数 コア数 ハイパースレッディング
Core i7 2.0~4.0 GHz 4 あり
Core i5 1.9~3.4 GHz 4 なし
Core i3 2.9~3.8 GHz 2 あり
Pentium 2.6~3.5 GHz 2 なし
Celeron 2.4~2.9 GHz 2 なし
Celeron J(Silvermont/旧Atom系列) 2.0~2.58 GHz 2 or 4 なし

簡易的には、Core i7が最上位モデル、そこからハイパースレッディングを無効にしたものをCore i5、Core i7のCPUコア数を半分にした物がCore i3です。さらに機能を制限したモデルとして、PentiumとCeleronがあります。Celeronは、Pentiumからグレードダウンしたものと、かつてネットブックに使用されていたAtom系列のコアを発展させたものの2種類があります。

以上より、最も高機能なCPUを選ぶならばCore i7系列となります。

インテルのCPUについているUとかKとかって何?

Core iシリーズの場合、例えばCore i7-4770Kのように、型番にKやTという文字がついている場合があります。これらは下記のような意味を持ちます。

  • 無印…標準モデル
  • K…クロック倍率が非固定でオーバークロック可能なモデル
  • X…クロック倍率が非固定でオーバークロック可能なモデル(Extreme Edition)
  • S…性能を下げた低消費電力モデル(デスクトップ向け)
  • T…Sよりもさらに低消費電力モデル(デスクトップ向け)
  • HQ/MQ…ノート向け標準モデル
  • U…性能を下げた低消費電力モデル(ノート向け)
  • Y…Yより性能を下げた低消費電力モデル(ノート向け)

デスクトップパソコンでDTM用途のパソコンを購入するならば、無印かK付きのモデルを選択することになると思います。無印とK付きの違いは、主にオーバークロック可能かどうかという部分に関わってきます。CPUの性能限界に挑戦したい方はK付きを、そうでなければ無印で良いと思います。

SやT付きのモデルは、無印に比べてCPUのパワーが落ちますので、DTM用途ではあまりお勧めしません。省スペースモデルなど、排熱能力に不安のある筐体や、あまりパフォーマンスを求めない場合に選択の余地があります。

クロック周波数とDAW・ソフトシンセの関係

クロック周波数とは、1コアが1秒間にどの程度演算できるかを表します。単純に考えた場合、周波数の高いコアほど、処理速度は速くなります。

多くのソフトシンセを同時に動かしたいのでしたら、なるべくクロック周波数の高いものを選んでください。

一方、クロック周波数の低いCPUは発熱量が低く、低消費電力で運用できます。パフォーマンスを犠牲にしても冷却ファンの静音性にこだわる場合や、ノートパソコンならば選択肢に入れてよいと思います。

コア数とDAW・ソフトシンセの関係

コアが2つあるCPUをデュアルコア、4つあるCPUをクアッドコアと呼称します。ここでは、便宜上2つ以上のコアを持つCPUをまとめてマルチコアと呼びます。

CPUコア数は、並列処理性能の高さを表しますので、シングルコアCPUよりマルチコアCPUは高いパフォーマンスが期待されます(厳密には1コアあたりの性能を考慮する必要があります。コア数が多くても1コアあたりの性能が低ければトータルのパフォーマンスは落ちます)。

DAWやソフトシンセが、コア数の多いCPUで能力を発揮できるかは、DAW・ソフトシンセのプログラム構成に依存します。プログラムがマルチコアに最適化されていなければ、マルチコアCPUは能力を発揮できません。特に古いDAWやソフトシンセでは、最新CPUでも高いパフォーマンスが得られないかもしれません(こればかりは一般ユーザーからはわかりません)。

ハイパースレッディングとDAW・ソフトシンセの関係

ハイパースレッディングは、コアの「手が空いている」時に別の仕事をする機能で、より効率的に処理を進めるための機能といえます。この技術に対応したCPUは、物理的なコアは1つでも、OSから見れば2つのコアがあるように見えます。例えば、ハイパースレッディングに対応するCore i7は、物理的には4コアですが、OSからは8コア存在するように見えます。

従来、DTMにおいて、ハイパースレッディングは切ったほうが良いと言われていました。Steinberg社の検証で、ハイパースレッディングを有効化しておくと、「手が空いている時に行う別の仕事」がVSTの動作に悪影響を及ぼすことがあったと報告されました。Cubase 7以降では、ASIO-Guardという技術でこの対策が行われていますが、それよりも古い環境では引き続きハイパースレッディングの無効化が推奨されています。

SONARでは、マニュアルの記述から、ハイパースレッディング有効化が推奨されていると考えられます。ので、現在はハイパースレッディング対応のほうが高いパフォーマンスを得られるようです。

これらを踏まえると、最新のDAWをお使いでなければハイパースレッディングの無いCore i5系列を選択するのが良いです。

ベストバイはどれか

以上より、DTMに最適なCPUはCore i7かi5の高クロック周波数モデルであると言えます。最新のDAWをハイパフォーマンスに使いこなすならばCore i7を、予算を安く抑えるのであれば、Core i5を選択して購入するのが良いと思います。

例えば以下のようなモデルが挙げられます。

オーバークロック可能モデル(パソコン上級者向け)

  • Core i7-4790K BOX ¥40,551
  • Core i5-4690K BOX ¥26,860

通常モデル

  • Core i7-4790 BOX ¥35,904
  • Core i5-4690 BOX ¥25,572

リンク先は全て本サイト外になります。また価格は、2015年1月12日現在のTSUKUMOでも販売単価です。

Core i5よりグレードを下げる場合は、Core i3が選択肢になります。Pentium以下のグレードでは、クロック周波数やその他の性能が低くなりますので、目に見えてパフォーマンスが落ちてきます。たとえ4コアのモデルであっても、安価だからと安易に選択しないほうが良いでしょう。

なお、CPU単体を購入し、現在お使いのデスクトップパソコンのCPUと交換をしたいとお考えの場合には、マザーボードのソケットにCPUが合致するかをご確認ください。Haswell RefreshではLGA1150というソケットが必要です。ソケットが合致しないCPUは使えません。

Core 2 Duoはまだ戦える?

Core 2 Duoは、今のCore i世代が登場する前に普及していたCPUで、まだお使いの方も多いと思います。私もCore 2 Duo世代のノートをいまだに使用しています。

残念ながら、Core 2 Duo世代をDTMに使うのは限界が来つつあります。最新のDAWやVSTの多くは、Core 2 Duo世代を最低動作環境と表記していることが多く、音源やエフェクトの組み合わせ次第では苦しい場面も多いと思います。そのため、Core 2 Duo世代を使い続けるのでしたら、軽い動作のDAWやVSTを選択的に使うことをお勧めします。

DTM用途には厳しくても、ウェブブラウジングなどにはまだまだ使用可能なモデルです。いつまでも愛してあげてください。

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