あなたが同人CDを販売する上で考えるべき費用の話

同人音楽CDとはいえ、その制作にはお金がかかります

仮に採算度外視でも、ある程度の利益を見込む場合でも、その製造コストをきちんと把握しておくことが大切です。

ここでは、あなたが業者委託でCDを作成し、音系・メディアミックス同人即売会[M3]での販売や、ショップでの販売委託することも視野に入れ、そこにかかる費用について紹介します。

以下で述べる事例は、筆者が主催したTHE BATTLE MODEを参考に、少し脚色して算出しています。

なお、もっと大量の製造を行って利益も大きくなってくると、あなたの税金に関わってくる可能性があります。

同人音楽活動を「副業」として本格的にやるならば、あらかじめ税制や会社の就業規則などは確認しておくことをお勧めします。

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同人音楽CD製造にかかる原価

Wikipediaによると、原価とは「特定の目的を達成するために消費される経済的資源を貨幣で測定したものである」と紹介されています。

簡単に書いてしまうと、あなたが同人CD1枚を完成させるために支払う必要のある費用のことです。

例えば、業者発注にてCD(プレスではなくCD-Rコピー)を作成した場合、1枚あたりの原価はおよそ400円の費用がかかっています

この400円のうち内訳は以下の通りです。

CDデータコピー代 70円/1枚
レーベル面印刷代 60円/1枚
ブックレット印刷代 210円/1枚
CDケース代 20円/1枚
各種組み立て・封入代 30円/1枚
発注時の元データ送料 720円
費用支払い時の払込手数料 620円

これらの総計を取り、そこから1枚あたりで除算した結果がおおよそ400円になります。

これは筆者のケースであり、発注業者や発注内容等で変わりますので、あくまで1例として参考になれば幸いです。

大量生産すると原価は下がる

通常、CDのような商品は、大量生産することで1枚当たりの原価を下げることが出来ます

10枚よりは100枚のほうが安価ですし、それよりは1,000枚作ったほうがさらに割安になります。

同人音楽CDのコストが高くなる原因の1つは、その生産量が少ないためなのです。

しかしながら、大量生産の場合には大量の在庫が発生する可能性があるため、CD制作に初めて挑戦される方にはお勧めできません

そもそもCDって結構場所をとりますから、100枚単位で部屋に余ると本当に邪魔です。

このあたりは、おおよそ何枚ぐらい売れるかをあらかじめ想定した上で、製造枚数を決めることになります。

手焼きは安いが時間がかかる

手焼きであれば、バルクのCDとケース、プリンターとインクを準備すればよいため、少業者発注よりは安く済む可能性が高いです。

しかしながら、その作業のために、あなたは1日付きっ切りでCDの準備をすることになるかもしれません。

あなたがかけられる時間のコストととの相談になりますね。

筆者はめんどくさいので手焼きはしない派です。

イベント参加にかかる費用

M3などに参加するならば、参加費用や参加に関連する費用が発生します。

筆者のケースでは、具体的には以下の通りです。

イベント参加費用 5,300円
搬入費 2,400円(往復)

大きな費用が発生するのは、イベント参加費用です。

仮にCD売り上げで完全に黒字を目指すならば、CDの原価にイベント参加費用なども上乗せする必要があります。

また、無視できないのが、CDの輸送費とあなたの交通費・昼食代です。

特に交通費は遠方からの参加となるとこの費用だけで大きな額になるはずです。

イベント会場までの交通費 3,000円
昼食/飲み物代など 1,000円

CDの販売委託に関わる原価

あなたがもしショップを販売を委託して通販にてCDを売るつもりならば、そこにも費用が発生します。

委託の際に発生する費用は宅急便の代金だけかもしれません。

その代わり、無視できないのが販売時の手数料です。

ショップに委託した際の販売手数料は、1枚のCDが売れるたびに、そのCDの価格のx%として控除されることが一般的です。

例えば、筆者が委託していると株式会社虎の穴では、販売価格のうち30%が販売手数料になります。

委託業者への搬入費 1,200円
販売手数料 30%/1枚(株式会社虎の穴の場合)

その他雑費

ここまでの項目は、一般的に発生しする費用です。

この他に考えれられる費用としては、以下のようなものがあげられます。

会場設営の為の準備費 -円
企画参加者への無償譲渡が発生する場合の輸送費 -円
企画参加者への謝礼が発生する場合の礼金 -円
その他事前準備時の直接費用に換算できない部分 -円

上記項目のうち、「その他事前準備時の直接費用に換算できない部分」とは、あなたが同人CD作成に費やす時間のことです。

多くの準備期間が発生しますので、その間の機会損失は経験と引き換えに割り切るしかありません。

税金のお話(特にあなたが就職している場合に)

当然ですが、あなたが同人CDで大きな利益を得た場合には税金が発生します。

通常、あなたが会社員として会社から給与をもらっていれば、20万円までの収入は雑収入扱いとして確定申告不要です。

ですが、20万円を上回る収益が発生するようであれば、確定申告の義務が発生し、税金の額が異なってきます。

一方、CDが赤字になった場合には、それを申告することで税金の還付を受けられる可能性があります。

たとえ黒字になっても赤字になっても、発生した費用は領収書とともに管理しておくのがオススメです。

なお、理解の無い企業では、同人活動を「副業」と捉える向きもあり、社内でのトラブルに発展する可能性があります。

CD頒布以外にも、有料での楽曲制作などを請け負っていると20万円を超える収入が発生することは十分考えられますから、あらかじめ就業規則などは目を通した上で活動した方が良いです。
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まとめ

  • あなたが同人音楽CDの製造を外注で作ろうとした場合、発生するコストは1枚あたり約300~400円程度
  • ショップに委託して通販する場合には、売り上げのx%が手数料で差し引かれる点に注意。積み重なると結構高額です
  • 大規模に販売を行う場合には税金に注意すること。あなたが会社員の場合、20万円を超えた利益は確定申告が必要になる可能性

あなたが初めて同人CDを作ろうとしている時に、どの程度の費用が必要なのか参考になれば幸いです。

なお、残念ながら筆者のコンピレーションアルバムである「THE BATTLE MODE」は赤字企画です笑。

しかしながら、生じた費用を記録しておくことで、どこにコスト削減の余地があるのか、等を再考することができました。

本格的な利益を目指している企画ではありませんが、そこから様々な創意工夫していくことも、企画物の楽しみかなとは思う次第です。

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