AACはMP3ファイルに比べ、圧縮面・音質面で優れた音声圧縮技術で、Via Licensing社がライセンスを一括管轄しています。
あなたが開発中のアプリケーションにAACに関連する技術を組み込む場合、ライセンス利用申請が必要になる場合があります。
申請が必要なケースは、AACエンコーダ/デコーダをアプリケーションなどに組み込む場合です。 単にAACファイルを利用するだけならばライセンス申請は不要です。
そこで、「あなたが3104式のAACファイルを素材利用したいとき」「あなたの部署でAACを利用したアプリケーションを開発したいとき」などを想定し、AACそのもののライセンス体系をご紹介します。
ただ、本記事が必ず正確とは限らない為、情報の利用は自己責任でお願いいたします。
本記事は3104式の音楽素材使用規約ではないので、音楽素材の利用規約を参照したい方は、使用規約を見てください。
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Contents
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AACとは
AACとはAdvanced Audio Codingの略称で、1997年に「Moving Picture Experts Group (MPEG)」 において規格化された音声圧縮方式です。
AACに準拠する音声ファイルをAACファイルと呼びます。
AACは知名度のあるMP3より後発で、圧縮度合いや音質面でMP3を上回ることを目標に開発されました。
なぜライセンスを気にする必要があるのか
AACは、MP3と同様にMPEGによって定められた音声圧縮方式で、MPEGに参加した各企業等の特許技術が使われているからです。
一般的に「オープンソースで開発された」と標榜されていなければ、そこになんらかの特許技術が使われている可能性があります (例えばFFmpegのように、ソースコードはオープンソースでも、圧縮方法にライセンス技術が含まれている場合もあるので注意が必要です)。
AACの開発にはAT&T Corp、Dolby Laboratories, Inc.、Sony Corporation、Microsoft Corporation、NEC Corporation、NTT DOCOMO, INC.などが関与しました。
ライセンスを気にしたくなければ
完全に特許フリーの音声ファイル(音声エンコーダ/デコーダ)を使用したいなら、OGG vorbisやFLACの使用を検討してください。
AACのライセンスはどのように管理されているのか
AACのように、複数の特許技術からなる技術は、ライセンスを一括管理する「ライセンスポートフォリオ」が存在します。
AACの場合は、Via Licensing社が一括管轄しています。
Via Licensing社には、上述の企業がライセンサー(ライセンスを提供する側)として参加し、ライセンシー(ライセンスを受ける側。AAC技術を使いたい側)がライセンス申請を行うことで特許の使用管理を行います。
Via Licensing社にライセンスを申請することで、Via Licensing社が管理するライセンスなら、特許の侵害や個別企業への使用料負担を気にせず利用できるという仕組みです。
もちろんVia Licensing社にライセンス申請をせずに、AAC技術を使用することもできます。
しかし、その場合は特許内容を細かく調べ上げ、一社一社それぞれにライセンス使用申請を行うか、無断で特許技術を使用して特許料を請求されるかのどちらかです。
どのような条件でライセンス料支払いの必要が生じるのか?
おそらくあなたの最大の関心は、AACを利用した際には「あなたがライセンス料を払う必要はあるのか?」だと思います。
もし、あなたがAACのエンコード/デコード技術を用いた商品を販売するなら、ライセンス料の支払いが必要です。
一方、あなたがAACファイルの楽曲を視聴したり、配布したりするだけなら支払いは不要です。
以下のページにライセンス料に関する記述があります。
Via Licensing(AAC Frequently Asked Questions)
FAQ冒頭の、Who must sign a license?
(誰がライセンスにサインする必要がありますか?)をご覧ください。
ここで、AACのライセンサーはエンドユーザーが使用するエンコーダーかデコーダの販売者にライセンスを求めていることがわかります。
一方、Are there use fees for aac ?
(AACの使用料はありますか?)を見ると、
No. License fees are due on the sale of encoders and/or decoders only. There are no patent license fees due on the distribution of bit-stream encoded in AAC, whether such bit-streams are broadcast, streamed over a network, or provided on physical media.
(いいえ。ライセンス使用料はエンコーダとデコーダの販売時だけ支払います。AACファイルの配布、ブロードキャスト、ネットワークでの配信、物理的なメディアでの提供では特許使用料は発生しません。)とあります。
ここから、AACファイルを使用すること自体は無料であることがわかります。
あなたはAAC音楽素材を使用することでVia Licensing社にライセンス申請する必要はあるのか?
AAC形式の楽曲を利用するだけなら不要です。
上述の通り、Via Licensing社が求めるのはエンコーダー/デコーダーの販売時に限られています。
AACエンコーダー/デコーダーを販売するならいくら支払うのか?
AACエンコーダー/デコーダーを搭載した製品を販売するならば、ライセンス料を支払ったほうが賢明です。
ライセンス料は年間累計の販売台数がその指標になります。
使用料詳細や、支払い手順は下記リンクより問い合わせた方が良いです。
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まとめ
AACは特許技術を含む技術で、AACのエンコーダー/デコーダーを伴う製品の販売にはライセンスについて考える必要があります。
AACファイルを再生したり配布したりするといった用途にはライセンス申請の必要はありません。
ライセンスは、その時々で見直しが行われ、料金体系などが変わる場合があります。 詳しくは、Via Licensing社のウェブサイトでご確認ください。
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