音屋FES【遊-Asobi-】楽曲リスト（ストーリー別）

3. カジノ by watson（MusMus）

カジノ
MP3　　　　　2分44秒　　　　　128kbps　　　　　2.51MB

ここはとある国の城下町にある国営カジノ。 俺は今、景品として並んでいる豪華な武具を眺め、その出所について考えている。 切りつける度に持っている人間の体力が何故か回復する奇跡的な剣。 世界最強のメタリックな鎧。 身に着けると自爆できる腕輪（これは欲しくないが）。 どれもこれも非売品かつ国宝級のお宝だ。一体どこから仕入れているのか。 王国であるこの国では、国営ということは王宮が運営しているということだ。 王宮、非売品、国宝級・・・答えは明白だ。精霊の時代より王宮の宝物庫で眠っていた国の宝をカジノの景品として出しているのだ。 先日の王宮での一幕を思い返す。王は確かにこう言った。 「おお勇者よ、我が城の宝物庫のものを自由に持っていくが良い」 だが、王宮の宝物庫にあったのは「250G」と「くさりがま」だった。くさりがま・・・王宮の宝物庫に置くか？普通。その時はなんとも貧乏な国だと思ったのだが、この規模のカジノを国営で運営しているのだから貧乏なはずがないではないか。 つまりこういうことだ。 この国の王は、世界を救おうとしている勇者（つまり俺）に最強の武具を授けることよりも、それらの武具をエサに庶民からカネを巻き上げ私腹を肥やすことを選択したのだ。大体、世間で勇者と呼ばれている俺に対して初対面で「盗賊に盗まれた王冠を取り返してくれ」とか依頼してくる時点でおかしいと気づくべきだったのだ。 誰かがあの王に鉄槌を下さねばなるまい。 だがどうやって？ 答えはもう出ている。 武器、防具、道具、仲間の全てを売り払った金で、カジノのコインは大量にゲットした。 海底監獄で出会ったなんとかという男（名前は忘れた）が命を落としながら俺に託したなんちゃらオーブとかいうのはとても高く売れた。 魔王城に行くために必要だったらしいがまぁいい。 元手は十分だ。このカジノを、そして王を破産に追い込む。 打倒魔王という目的はもはや俺の中から消え失せた。 俺は新しい目標に向かって最初の一歩を踏み出した。